乳歯の時のケアはとても大事です。乳歯に虫歯ができると、次に生える永久歯も虫歯になる確率が高いからです。健全な歯は正しい歯磨きから。いつもお子様の歯の状態を見守ってあげてください。気になることがあったら早めにご相談ください。

乳歯は生後5～6ヶ月で生えはじめ、3歳頃にはすべて生えそろいます。乳歯の数と大人の歯の数は違っています。これから成長していく赤ちゃんの小さくてかわいいあごに、大人と同じ数の歯は収まりません。それでまず乳歯が生えるのです。乳歯は、赤ちゃんのあごを発達させ、顔の輪郭を整え、言葉の発音を安定させる、といった重要な役目も持っています。
そして6歳ごろから永久歯が生えはじめ、12～13歳で生えそろいます。大切なことは、永久歯は乳歯の時期に、乳歯の下に育ってきているということです。乳歯が虫歯になると永久歯も虫歯になりやすいのはこのためです。
乳歯は虫歯になりやすい。

乳歯は、外側を守るエナメル質が薄いため虫歯になりやすく、いったん虫歯になると進行も早いので注意が必要です。乳歯の時期は、歯と歯の間が空いていますから、隙間の食べかすを掻き出すようにして汚れを残さないように気を付けます。特に奥歯は複雑な溝があって食べかすがたまりやすいので、歯磨きをお子様まかせにせず、大人が仕上げ磨きをしてあげましょう。
ぜひ覚えておいていただきたいことは、「乳歯の虫歯は黒くならない」ということです。特に初期の虫歯は表面が白っぽく濁った斑点のように見えるだけで、見過ごしやすいので注意が必要です。なんか怪しいなと思ったら放っておかずすぐご相談ください。

虫歯菌は糖分が大好きです。欲しがるからといって、甘いお菓子や甘い飲み物をだらだらと食べさせるのは一番よくありません。

フッ素は歯のエナメル質を強化して、虫歯菌の酸に溶かされにくくします。また虫歯菌にも作用して酸を作らせにくくする効果もあります。フッ素を歯に塗ったり、フッ素入りの歯磨き剤を使用するとよいでしょう。フッ素塗布は当院でも行っています。

シーラントというのは、特に虫歯になりやすい奥歯の溝を、フッ素を配合した樹脂で埋めて、食べかすが残らないようにして、虫歯を予防する方法です。実施時期は、奥の6歳臼歯が生え始めたころがよいでしょう。生えたばかりの永久歯は初期虫歯になりやすいので、シーラントで予防するのが効果的です。保険診療で行えます。シーラントをすればもう安心、ということではないので、しっかり歯磨きも必要です。また、シーラントは剥がれたり、欠けたりすることがありますので、定期的に異常がないか検診を受けられるのがよいでしょう。